改造後のコース全体の特徴
今回の改造は、コースそのものが持つポテンシャルを引き上げることを目標とし、継承された上田治氏の基本形を大きくは変えない方向性の中で工事は進んだ。
グリーンは多少手前がカットされ奥にシフトした様になった。
見た目の印象、若干強くなったアンジュレーション。
今までよりは小さくなったグリーンと、その新グリーンに接近されたバンカーに難しくなったと感じる方は多いかも知れない。
一方で、グリーンが絞られたという景観はターゲットを意識しやすくなったといえる。
また、セカンドショットは、『乗せることが出来れば何とかなる…』から、ピン位置によっては、『あのバンカーに気を付けてあの当りに乗せておかなければ…』というはっきりとした攻略ルートをイメージしやすいデザインとなり、より一層楽しめるコースとなった。
その様な意味では戦略性(ストラテジー)は、設計上の厳密な議論は残るだろうが、私的には十分に上げられたと感じている。
グリーンの始まりとエンドライン、幅として両端が出来るだけ分かりやすいように周辺の造形に変化を持たせた。
バンカーについては、打ち上げホールや林帯の陰に隠れて見えにくかったものや砂面を隠していた張りを整え、全体的にバンカーは見えやすくなり、ビジターにも分かりやすいコースとなった。
また、グリーンからの距離があまりに遠いところまで広がっていた部分をカットし必要以上のハザードエリアを削減すると同時に、深すぎたりオーバーハング的に顎が張りすぎていたものも修正し、必要以上の難度を無くすようにした。
それら全体的なプレイヤービリティー(プレーのし易さ)は上がったと思う。
グッドショットの価値を高め、ミスショットのペナルティーは若干増したものの大怪我の可能性は少なくなったといえる。
私自身の経験を踏まえれば、グリーン改造等において完成の姿を見ての感想として多くの関係者は口々に、『大分難しくなった』 という意見が大勢を占める。
しかし、実際プレーが始まれば、その声はどこかに消え去り、1年もしないうちにメンバーは慣れ、昔の姿は思い出せなくなるものだ。